酒飲みのかたち⦅20歳41日目⦆
飲み会的な会合で馬鹿みたいに酒を浴びるのが大学生である。本日、反例の僕もその飲み会に出席した。
20歳を迎えている(とされる)大学生のみんなは、アルコールこそが生きがいの如く、お酒を注文した。僕は彼らを見て、お酒とは彼らにとってどれほど重要な人生の構成要素なのだろうと、頭の隅で考えていた。
注文の品が届き、彼らはジョッキを引っ掛ける。僕のイメージでは美味そうにグビグビいくものだと思っていたが、彼らは違うらしい。どうやら、チビッと飲んでは、コレはアルコール度数が高いだの、やっぱり美味しくないだの騒いでいた。
僕はこれを見て、目を疑ってみた。疑う理由は他でもない。思い描いていた絵が目に映らなかったためだ。
どれだけ疑って差し上げ申し候としても、視界はバグっていなかった。少なくとも、OH基配合ベンゼンを食らった彼らよりかはまともな目をしているはずだという結論が出た。
どうやら彼らは本気で、このつまらなさそうな飲み方を楽しんでいるようだった。大学生の飲み会はこういうものなのかと、幻想を潰された感じがした。リーマンショックよりも大きなショックが僕には来ていた。
理想の飲み方とは何か。反例の分際ではあるが、僕も少し考えてみよう。
僕の考える理想の飲み方。それは、お酒をお酒として飲まないことだ。
飲んでる最中にアルコール度数を気にして、果たして本当に楽しめてるのだろうか。もちろん彼らには彼らの飲み方があるのだろうし、多少のアルハラはコミュニケーションで済まされるのだろう。
ソフトドリンクを飲んだときに炭酸がキツいだとか甘いだとかを長々と話はしない。美味しいジュースには美味しいと言い、飲み物の存在は飲み物止まりである。話題がずっと飲み物で持っていかれることはあってはならない。
しかし酒は違う。アルコールがどうの、あと何杯行けるのなんの、これは店員が割り損ねた原液だのな話が無限に続く。美味しいなら美味しいで片付けるべきと僕は思う。