ぺだんの日記

日々の出来事や思ったことを色々書いていこうと思います

誠意は伝わらない⦅20歳81日目⦆

私はサークル活動の一環で、リリパックというプラスチック容器の回収作業をしています。回収ボックスに捨てられたリリパックの個数を数えて、段ボールに詰めて然るべきところに送ることで、容器の再利用を図るというものです。

僕の仕事は回収作業です。ですから、このパックの回収率なんてものには特別な興味を示しませんでしたし、回収作業以外に労力をかけようとも思いませんでした。先輩方から引き継いだ内容は回収のみです。また、回収作業のみをしていても、同回生の人たちから何か言われることもありませんでしたし、学生委員会に関わる大人たちも、僕のする作業に口を出しませんでした。

みんな、リリパックの回収という面倒ごとに関わりたくなかったのでしょう。リリパックの回収は他の企画と違い、裏方作業の色合いが強いです。ですからみんな、手伝おうとしません。僕以外みな忙しいことくらい重々承知の上で申しますが、泥臭い仕事を押し付けられていると言う気持ちがないと言えば嘘になります。

みんなは忙しそうにしています。回収作業を行う時間帯に被る5限目に授業が入っている人は来れませんし、僕と同じ学科の人でも、他のサークル活動があるようですから、強制参加ではない僕の活動に無理して来させたりなんかしません。彼らはちゃんとした用事があって来ることができないのです。彼らはいいのです。

僕は知っています。5限目が空いているにもかかわらず、来ない輩がいることを。彼は4限目が体育だから疲れているだとか理由をつけて、手伝おうとしません。同学年はみなその日中に体育があり、もちろん僕だって2限に体育があります。体育終わりの授業も寝ずに受けているというのに、彼はなぜか来ないのです。なぜ彼だけが弱い都合で休みえるのでしょうか。僕だってリリパックの回収後に他のサークル活動へ行かねばなりませんから、体育疲れで寝る他に大した用もない彼に比べたら、回収作業をしなくていい口実を持っています。それでも、与えられたのか押し付けられたのかもわからない仕事に、誠意を持って取り組むのです。

今日の本題はここからです。今日の昼休み、学生委員会に一枚噛んでいる大人から、リリパックの回収率について訊ねるLINEが入ってきました。僕は回収作業のみを行なっていて数の把握はしていませんでしたから、その連絡には具体的な数字は出さずに、感覚的に何百枚だと答えました。僕はその返信にも誠意を持って答えました。多い時はいくらだった、去年の後期と比べて今は相当いいはず云々。様々な情報を与えたつもりでしたが、先方は感謝も述べずに文句を垂らしました。なぜ数の把握をしてないのかと。これを聞いて僕は以下を理由に困り果てました。

第一に、僕は回収作業以上のことを引き継いでいないのです。先輩方から言われたことは回収のみで、それ以上のことは聞いていません。今回の文句は作業外のことをなぜしていないのかという内容ですから、僕にはどう受け止めることもできませんでした。

第二に、文句垂れてきた大人は、僕の回収活動に興味を向けたことがありませんでした。どうやら、外部の人から把握のしていないパックの回収率を尋ねられて、こちらに助け舟を求めたみたいです。僕には、外部にいい顔ができないからキレられたように見えました。

第三に、僕はこの活動が大好きでしているわけではないのです。僕は善意で汚れ仕事をしているだけで、積極的に活動をしているわけではありません。僕以外にやりたい人がいれば譲りますし、手伝えと言われたら手伝う。それくらいの熱意でやっています。ですから、やる気があるなら回収数くらい数えろとキレられても困るのです。もちろん、任された仕事なので、熱意はなくとも誠意を持って取り組みますが。

第四に、苦情を提したこの人は、僕が回収数を把握していないことは考えればわかったはずなのです。僕を怒りたくてわざと回収率なんて聞いてきたのでしょうか。

ヘルスチェックなる企画⦅20歳80日目⦆

僕はサークル活動の1つとして生協学生委員会に所属している。日記でも何度か書いているので、知っている人もいるだろう。今日はそのサークル活動について話そう。

授業自体は午前で終わった。時間が空けば自動車学校に行くべきなのだろうが、火曜日はあいにくの定休日。いつもは本屋に寄ったり家事したりで潰れるのがルーティンになりかけていたが、今日はいつもの流れに反いた。とある企画の運営をしていたからである。

食堂の隅っこで行われたその企画はヘルスチェックと題され、駆り出された僕は15時から19時まで、訪問者の健康レベルを審判する役目を果たしていた。

催し物と言っても健康をテーマに扱っている都合上、そう多くの集客は見込んでいなかった。来客に配るバラも15枚しか刷らなかったし、なんなら余ると踏んでいた。去年は広報を怠ったせいで、2日間で訪問者が0だった。一年経った現在でも、サークル内では凄惨な事件として語り継がれている。

去年の失態のせいか、今年は1日限りの開催だった。去年を経験した2回生や去年企画した3回生にとってみれば、当然の判断だろう。

始まってみてどうだったか。最初の客は意外にも15時ぴったりにやって来た。2日で0だった去年を知っているだけ、驚きを隠せなかった。運営しておいて言うのも変な話ではあるのだが、まさか人が来るなんてと思ってしまった。

その後もじわりじわりと人は来た。別に賑わったわけじゃない。終始運営の人たちが駄弁っていた。受付に列ができることはなかったし、トラブルに追われて東奔西走することもなかった。ニコニコしながら持ち場にやってきたお客さん相手に説明やらなんやらをするにとどまった。それでも去年との差で、忙しさを感じていた。

最終的には30人ものお客さんが来てくれたようだ。僕は何が彼らを惹きつけたのかすごく気になった。去年との相違点はやはり広報物だろう。Twitterでの告知もあったし、食堂や売店にはビラが何枚も貼り出されていた。目に止まるかは別としても、多くの人の目に触れていたのは間違いない。

これに加えてもう1つ、来客数を増やした要因があるのではないかと思っている。それは食堂で利用可能な小鉢無料券である。

食堂では33〜88円の、小鉢に入ったおかずが販売されている。値段の低さと味や量の加減がすこぶる良く、流行り言葉で言うところのコスパ最強な一品だ。種類も豊富で、だし巻き卵やらきんぴらごぼうやら、肉野菜問わず様々なおかずが概ね66円で販売されている。

通称小鉢と呼ばれるおかずが1つ無料になるチケットを、来客者全員に頒布したのだ。来客者全員が頒布の事実を来る前から知っていたとは限らないが、僕はこのチケットが30人もの集客に繋がったと睨んでいる。そりゃそうだろう。昼ごはんの88円がタダになるなら、魅力を感じない企画だろうと行きたくなるに違いない。昼食15%OFFなんて最高じゃないか。

ちなみに、魅力を感じない企画と書いたが、実際来てみるとこれが意外と楽しい。僕の担当したブースはアルコールパッチテストと泥酔体験をするブースだった。アルパチと略されるこのテストは、消毒用アルコールを浸した絆創膏を5分間腕に貼って赤くなるかどうかでアルコール耐性を判断するというものである。これはどこでもできる。こんなのはどこでもやっている。

僕のブースは目玉商品は泥酔体験だった。レンズがぐわんぐわんしたゴーグルを付けて、3つの椅子をジグザグ歩くコーナーだ。これがまた異様に難しく、体験者は椅子に膝小僧をぶつけまくっていた。他ではできない企画だけに、とても面白かった。

以上の通り、意外にも面白き本企画は、面白さ相当の集客こそできなかったとはいえ、多くのお客様に恵まれた。去年の0から比べれば30は大躍進だ。来年は50人を目標に頑張ろうか。

1バツ⦅20歳79日目⦆

これを書いているのは、20歳80日目の僕です。

今まで1度も忘れることなく、毎日続けてくることができた日記ですが、遂に逃しました。

昨日をよく振り返ってみても、日記を書く余裕は見当たりません。書き逃しても仕方のない1日だったように思えます。朝からしっかりと振り返っていきましょう。

目覚めの悪い朝でした。前日22時半に寝たにもかかわらず、3時5時7時と目を覚ましました。17時間寝込んだ土曜日ですら疲れが取りきれなかったことから察していた通り、やはり体調が優れないのだと確信した朝となりました。

1限はなかったのですが起き上がれず、2限が始まるギリギリになるまでベッドの上で死んでいました。10時を回り、長針に煽られて家を飛び出しました。もちろん朝ご飯は食べていませんでしたが、食べる気力がないことを考えると大した問題ではありませんでした。

2限は数学のテストを受けました。結果は惨敗でした。優れない体がテスト勉強に身を投じられるはずもないのです。そんな言い訳が脳内に響き渡りました。テストが終わって食堂でご飯を食べている間、頭の中では必修でないから落としても問題ないと唱え続けていました。

昼休みにはサークルの集まりがありました。不健康そのものの身体とテストで擦り切れた最悪の精神状態で臨みました。余裕のない僕はよく見る顔に機械的に挨拶をして席につきました。今思い返すと、えらく無愛想だったに違いありません。いや、元から愛想は良くないので、普段と相違なかったかもしれませんね。いつも通り無愛想だったように思えます。

集まりではいくつかの決め事が行われましたが、僕は主体的に参加しませんでした。自分の体調が原因ですが、参加できなかったと言うのは言い訳がましい気がします。土日で体調を戻せなかったのは僕ですから。結局は集まりに居合わせた大人2人がてきぱきと決め事を消化していきました。

3限目からはずっと実習が行われました。昼休み中に作業着に着替えて工場で待機しなければなりませんでしたから、非常に忙しい休み時間になりました。休み時間の名は相応しくないとこれほど強く思ったのは、後にも先にもこの時くらいでしょう。

あぁ、そういえば昼休みに引っかかったことがありました。今日の集まりなのですが、皆で集まる日程を決める際に「3限目からは実習なので長居できない」と言っていた人がいました。集まりがお開きになった後、その人はてっきりすぐさま教室を出ていくものかとばかり思っていましたが、僕よりも教室でゆっくりしていましてね。僕の方が先に教室を後にしたほどです。彼の発言はなんだったのでしょう。不思議な気持ちになりました。

そういえば、彼が集まりに顔を出したのは集合時間を過ぎてからでしたね。彼は時間の使い方が良くないのでしょうか。しっかり者に見える彼が時間にルーズかといえば、決してそうではないと思うのですが。彼のあれは、一体何だったのでしょう。

さて、僕の話に戻りましょう。13時10分に始まった実習は17時過ぎまで行われました。立ちっぱなしの作業でしたし、何よりも待ち時間が非常に長かったため、足が異様に疲れました。作業待ちの間もほとんど椅子に座れていません。疲れを溜めるにはいい授業です。

大学の学食で晩御飯を済まし、家に着いたのは19時手前。彼女の家に着いたのが19時半を過ぎたくらいでした。30分以上ものブランクがありますが、この時間何をしていたのか全く記憶にありません。ベッドに座って、スマホすらせず、どこを見るでもなく、知らない間に時間だけが過ぎていました。そしてある瞬間にふと思い返したようにして、彼女の家まで足を動かし始めました。

彼女に遅いと叱られましたが、なぜ遅くなったのかは僕にもわかりませんでした。今も、ただ疲れていることしかわかっていません。

唯一既プレイのギャルゲ⦅20歳78日目⦆

僕の親が僕にスマートフォンを持たせたがらなかった関係で、インターネットの海へ飛び込んだのは中学二年生のときだった。クラスの大半は自分のスマートフォンを持っていて、僕はクラスでスマートフォンを持っていないラスト三人にまでなっていたらしい。親は子供にスマートフォンなんて高価なもの持たせられないと考えていたようだが、ラスト三人の一枠だと担任から告げられたことをきっかけに、僕がクラスで浮いてしまわないようにと急いでスマホをを買い与えた。僕は僕で皆から遅れをとっていることを自覚していたので、遅れを取り戻すべくかのごとく、誰よりもネットの世界に入り浸った。そんな僕を見た両親は、やはり買い与えるべきではなかったと思ったに違いない。

中学生当時から主力動画サイトといえばYouTubeだった。しかしどの動画サイトがメジャーかなんて知らなかった僕は、YouTubeと並行してニコニコ動画も見ていた。クラスの風潮とかもわかってくると徐々にニコニコ動画からはフェードアウトしていったが、YouTubeニコニコ動画の両方で活動されている実況者さんを見るときやボカロ曲を漁るときなんかはニコニコ動画も頻繁に利用していた。ニコニコ動画YouTubeを比べると、ニコニコ動画の方がハメを外した人が多い。才能の無駄遣いが大好きな僕にとっては、愛すべきバカの巣窟ことニコニコ動画は居心地の良い場所だった。

恋愛シミュレーションゲームを知ったのも、中学二年生だった。初めて観たギャルゲ実況はアマガミPlayStation2PlayStationVitaでプレイできる。攻略対象キャラは6人で、僕の見た実況ではうち1人だけを攻略して完結としていた。この実況プレイがまた素晴らしく、実況者さんの性癖を爆発させた清々しい実況動画なのだ。アマガミは主人公のキャラクターも人気だ。主人公の橘純一は紳士的な行動や発言が多く見られ、アマガミファンからは「橘さん」と呼ばれることもある。紳士的と言っても女性に優しい言動をしているかと言われるとそうではない。紳士的な行動とはたとえば、

  • 図書室で女の子のおへそを舐める
  • 学校近くの小屋で膝裏を舐める
  • 犬の鳴き真似をしながら太ももに齧り付く

のような意味である。要は変態紳士ってやつだ。こんな主人公が、ギャルゲをプレイする層から支持を得られないわけがない。どの攻略キャラよりも橘さんは愛されている。

こんな主人公のもとプレイする実況者さんが主人公の言動にあったピンクな反応を見せてくる。今までインターネットを触ってこなかった僕には新世界もいいとこだった。

その後、時は過ぎて高校二年生。17歳になった僕は遂にアマガミをプレイすることとなる。ハードは友達から8000円で譲り受けた。年齢制限のお陰で16歳以下はプレイできなかったが、誕生日をもって、僕はギャルゲデビューを果たした。17歳の誕生日は今でも思い出深い1日として記憶に刻み込まれている。

さらに飛んで20歳と78日現在。結局アマガミ以外のギャルゲはプレイしなかったし、実況動画もあまり漁らなかった。しかしギャルゲは嫌いではない。思い出補正マシマシのアマガミは、最も好きなゲームソフトの一つにランクインしている。

今は彼女ができ、なんならずっと隣にいる。だからギャルゲをやることもないし、わざわざやろうとも思わない。けれど、異様に面白かった実況動画は度々見返したくなってしまう。彼女の前でギャルゲ片手にグヘグヘ言うよりかはマシだろうと踏んで、本日はずっと彼女とその実況動画を鑑賞していた。まだ1/4ほどしか視聴できていないが、それなりにハマってくれたご様子だ。時間さえあれば全部観てしまいたい。彼女がギャルゲにハマる世界線にも期待を膨らませてみるとするか。

17時間も寝て何をしたいんだ?⦅20歳77日目⦆

記念すべき77日目だ。なんとなく運がいい1日になりそうな数字だが、今日は一日中家に引きこもっていた。それどころかベッドからほとんど出なかった。体が垂直を保った時間なんて一時間もなかったと思う。死んだかのようにずっと水平。今日は死体と変わりない一日を過ごした。もしかするとベッドの上を棺桶の中と勘違いしていたのかもしれない。

昨晩のベッドインは0時きっかり。スマートフォンでゲーム内のタスクをぽちぽち消化していく。気がつくと2時になっていた。面白くもないゲームに2時間も奪われた現実に嫌気が差したので、スマートフォンは充電コードを挿しもせずにその辺に放り、拗ねるように目を閉じた。

次に目が開いたのは11時手前。この時点で9時間ほど寝ていたようだ。昨日の夕飯は気持ちが悪くなるほど食らいついたのでてっきり朝食抜きになるものとばかり思っていたが、さすがに時間が経ち過ぎていたようで、僕の腹の虫は鳴いていた。7月頭でもう30度越え連発の日々。蝉たちは僕の腹の虫を見習って外の世界に出てきてもいい頃合いだぞ。蝉に起きろという一方で僕は17時間も寝てるのだからこれではダブルスタンダードになってしまう…のか。

空腹の僕は、大量生産・大量消費の時代にふさわしく料理されたカレーを朝ご飯として食べた。朝食なので時代にそぐわない量の消費だったが。カレーの残り具合を見て、今日の晩あたりになくなりそうだと予想した。実際は昼ごはんなんて食べずに寝潰してしまうので、カレーは翌朝繰り越しとなる。大量消費の時代とは。

食べ終えた僕は風呂に入った。前日は帰ってすぐにベッドインするほど疲れていたので入浴するだけの余裕がなかった。の割に2時間も何やってたんですかねぇぇ。要するに入るのがめんどくさかったのだ。そうして翌日に繰り越された入浴を済ませた。大量生産・大量消費の時代は終わって、大量生産・繰り越しの時代が幕を開けていた。

その後はずっとベッドの上で意識朦朧としていた。そして19時。ようやく目ん玉見開いて今に至る。起きてすぐにスマートフォンを取り出して、ぽちぽち日記を打っている。さすがは寝付く直前までスマートフォンに乗っ取られていただけのことはある。睡眠の前後はスマートフォンに魂を売っているようだ。

竜飛海底吉岡海底の如く2回の途中駅を挟んみつつも、見事17時間の睡眠は遂行された。遂行するつもりなんてなかったのになぁ。瞼を下ろしてそこにいただけと言ってしまえばそうなのだが、17時間は長すぎる。まぁ全長53キロメートルの青函トンネルも時速3キロで歩けば17時間くらいということで、こんなもんといえばこんなもんか。違うか。

不思議なことに、17時間も寝ていたのに、起きた今はそれなりに体が重たい。ふくらはぎは血が足りてないような感覚だし、肩は前例にないほど凝っている。これらは睡眠が適正ツールじゃないのかもしれない。ただ寝てただけでもこの手の発見があると寝てよかったという気持ちになる。また寝ようとは思わないけど。

長時間睡眠はもう懲り懲りだが、数時間ならまだ寝れそうだ。この後もまた日付が変わるくらいにふらっと寝て、知らん間に7時間くらい経ってるんだろうな。この土日は何もしてないどころか、むしろこれだけ寝たなら何かした判定を貰えるんじゃないかってくらい寝ている。月曜日には数学のテストが控えているのでこのままじゃ単位がマズいでごわす。ただでさえ必修の材料力学がテストで大滑りして怪しいところなので、これ以上単位を落とすわけにはいかない。一年生ハムフル単で終わることができたがGPAは芳しくなく、二回生は中だるみの年とも言われているので、気をつけたいところだ。なんとしても繰り越しは避けよう。

意味のあるご飯会⦅20歳76日目⦆

今日はサークルで飲み会があった。新入生歓迎会として開かれたものだった。

新学期が始まった4月以降、ご飯を食べに行こうという流れは度々上がったが、ご時世がそれを許さないだろうと考えられて、その流れはそのまま流されることが常だった。また、催し物の幹事を務めようとする上回生がいなかったのも原因の一つだ。

今日この会が開かれたのは比較的下火になっているコロナと幹事の出現によるものである。前者は特に説明することもない。後者の出現とは、僕たちの部署で長をしている人が痺れを切らしたのだ。つまり、さすがに入部数ヶ月も経って交流の場が0ではあまりにも寂しく冷たいのではないかと声を上げたのだ。彼は言い出しっぺの原理に則って幹事となった。

僕は飲み会が苦手だ。そのことは過去にも書いたことがある。非常に拙い文章なので振り返って見る必要はないが、その時の日記に触れよう。

確か、奢られることと微妙な関係の人と話すことが嫌いだとか苦手だとかといちゃもんを付けていた気がする。この気持ちは今も変わっていない。気を遣いながらご飯を食べても美味しくないし、浅い交友関係は気まずさの構築でしかないのだ。

しかし今日は違った。奢るのは僕であって奢られるわけではない。何をどれだけ食べようと僕の自由だし、食べた分の被害を受けるのは僕なのだ。

今日の飲み会(飲み会といってもアルコール注文数は0の健全なご飯会)は一回生と二回生しかおらず、この会において僕は最高学年だった。一回生は奢りでタダ飯、二回生で割り勘をすることが幹事から事前に通達されており、自分が最も支払いを担う集団であることが確定していた。他人に奢られる感覚を持たなくて良い点で非常に大きかった。また、同回生になら少し多めに奢らせてもいいかと言う下心もあったので、支払い同額でもいっぱい食べるを実現できた。

以上のことから、以前の日記に記したうちの前者は改善されたとわかるだろう。

第二に他学年(今回で言う一回生)との今後のつながりがある。今回はこれについても心配することはなかった。

先輩と後輩がご飯に行った時はたいてい先輩から後輩に話を振る。話の軸は高学年が分担し、低学年はそれに付随する形で乗っかる。

時間が進めば一回生も勢いがついて主体的に話していたが、基本的にはこれがよくある空気感というか、飲み会の流れだろう。今回もその流れがあり、話しはじめは僕たち二回生だった。

今回の一回生は僕の時と比べて、学年に関する把握が容易だった。というのも、僕が一回生の時の飲み会は三回生も出席していた。一回生からすると二回生と三回生の区別はつかずみな先輩の括りで認識する。僕はその場で何人かの先輩と仲良くなった。

しかし後々サークルに顔を出して見ると、その先輩らは見当たらなかった。その先輩方は三回生で、飲み会にこそ顔を出せどサークルは卒業したOBだったのだ。

結局、サークルに残った二回生は誰一人として見覚えがなかった。というかそのサークルに参加していた二回生の先輩は二人だけで、しかもその二人が全てだった。

この経験から、僕は飲み会は正しいメンツで行わないと無意味に終わることを学んだ。そして、今回は有意義なメンツで行われた。

一回生以外はみな二回生。一回生同士は活動で固まるようにさせているので各々面識があり、知らない顔は全員二回生だとわかる。さらに、二回生としても、OBOGとなった先輩らがいないことでのびのびと新入生と関わることができ、満足のいく交流が持てた。

奢る側ということで幾分か主催寄りの立場での参加だったが、僕としては今回の飲み会もとい新入生歓迎会は成功したと感じている。ご飯が美味しかったから。

時間経過では消えないストレス⦅20歳75日目⦆

イライラしたときの対処法としてよく聞くものの多くは、運動や芸術といった昇華による解決である。別のものにのめり込んでいる間はストレスの元となる何かを意識せずにいられる。つまり、冷静になるためには時間が必要なのだ。冷静になるための時間を稼ぐ。これこそがストレス解消の本質だと思っている。

カラオケやジムに行って時間を作ればストレスは弱まる。活動して体がいくら温まろうとも頭はクールダウンするというのだから面白い。

さて、熱が冷めるにはそれ相応の時間が必要だという話だが、具体的にどれくらいの時間が必要なのだろうか。抱えたストレスの度合いによって冷ます量も変わってくるから一概には言えないが、ストレス解消法として睡眠が上位にランクインするあたりを見ると、1日足らずで十分だと考えられる。

確かにイライラした気持ちがが翌日の同時刻まで持続するなんてことはそう多くない。しかし、ストレスが再燃することはよくある。それはストレスの元を思い出したり、元凶を見聞きした時である。

例えば料理をしていたとき。大きな失敗をして良いものが作れなかったとする。普段なら普通にできていたものが作れないと、かなりのストレスがかかる。この負荷も食事が終わってしまえば忘れて消えて行く。しかし、翌日また台所に立った時に昨日の失態を思い出して、心が無性にそわそわする。嫌な出来事ほど忘れないとよく言うが、さらに付け加えて嫌な出来事ほどよく思い出すもセットで諺にするべきだ。

上の段落では例示として話を切り出したが、これが今日の僕である。実際には、解凍した生肉のドリップを捨てようと皿を流し台に傾けたところ、半分以上もの肉も一緒に流し台は落下させてしまうといった凄惨な事件がストレスの元凶だ。今回使おうと解凍した肉はブロック肉ではなく挽肉だったので、手で抑えていたにも関わらずトレー下部から千切れて落ちていった。200グラムあった肉も鍋に入れたのは僅か1/3ほどだった。

レシピでは140グラムの挽肉を使うよう指示されていた。パック丸ごと200グラムを使って肉沢山のボロネーゼを食べる予定が、実際にできたのは肉の総量70グラム足らずの貧相ケチャップスパゲッティだった。味は良かったとかそういう話はこの際どうでもいい。ちょっと贅沢に肉沢山なボロネーゼが貧乏飯に成り下がってしまったことにひどく落ち込んだ。

さらに間の悪いことに、この貧相パスタは人に振る舞わなければいけなかった。来客ではない。家主にだ。

調理していたのは僕の家の台所ではない。付き合ってる彼女邸の台所だ。つまりお釈迦にしたお肉は彼女が買ったものだった。自分の不手際で、せっかく買ったお肉を墓地送りにしてしまったのだ。これに不出来な料理を出す心苦しさも相まって、後悔や苛立ちは募る一方だった。

心にかかるこの負荷はいつ解消できるのだろう。ストレス解消の策を講じれば完全に解放されるのだろうか。この台所に立つたびに口の中いっぱいの苦虫を噛み潰さないといけないのだろうか。

心の荷重は他にもいくつかある。これらから解放されるのはいつになるだろう。毎週特定の曜日になると思い出したり会ったりすることになるこれらについて、解消の糸口が見つかれば実践したい。負の習慣化してしまわない為に。

教習所とかいうストレスは比較的すぐに解消できそうだ。車を運転するたびにイヤミなおじさんを思い出すといったことがない限りではあるが。

そうでないストレスは…サークルか。人手不足なサークルだから、もしかすると卒業までは付き合いが続くかもしれない。となると、卒業までは蟠りを抱えたまま生きるほかない。